2007年7月28日土曜日

De qui s'agit-il ?

国立近代美術館で開催されているHenri Cartier-Bresson(HCB)知られざる全貌に行ってきました。自転車で行こうと思ったんだけど、あまりの暑さに断念。

写真と言うのは誰にでもシャッターを押せば撮れるわけで、その写真を特別なものにできる高名な写真家というのはどういう写真を撮るのか、という疑問が常々あったので気になっていたのです。今回展示されている写真は報道写真から、日常の風、人物のポートレートなど様々で、教科書などで見覚えのある写真も。

歴史における決定的な瞬間も、人間の日常的な仕草の一瞬も、切り取った一瞬にそこに至る過程や、この後どうなるかという暗示を盛り込む、事件が持つ複雑な背景や人の潜在意識をその一瞬に引き出してしまうのがHCBの写真なのではないかと思います。そしてそれを切り取るときの構図。「あーでもないこうでもない」と逡巡するのではなく、眼前の光景が完璧になる瞬間を本能的に察知する、まさに"gift"。

この写真展、アートでもありますが報道写真が多く、「この時代にこの国ではこういうことがあった」という背景を知っていないと写真の本来の価値がわからないと思います。世界史は必要最低限しかやっていないので、世界史で大学受験したダンナサマに解説してもらいつつ見ていましたが、己の不勉強を悔やむこととなりました。一人で行かなくてよかった。

会場で上映されていたインタビューVTRがいかにもフランス人的、詩的な物言いですごく面白かったんだけど、室内のあまりの寒さに途中で諦めることになるました。残念。

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